M-SUZUKI_blog

GSJ主幹”M-鈴木”の、日常とかバトルテックの話とか。

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覚え書き程度で

 偵察小隊は1名の欠員を抱えている。
 それは取りも直さず私の失策が原因であり、その事実に付随する不愉快な諸々の事象には深く心を痛めるものであるが、その意味するところは作戦上の制約が増えたという形で表現する他無いのが現実と言うものだ。
 又、行動上の大きな制約条件のもう一つの要因は私の乗機にあった。
 これまで愛用してきたフェニックスホークは、部品取りに使える部分すら殆ど無い程に破壊されており、再生は不可能であると判断された。
 唯一、まともな部品の塊として残されたのは頭部であり、任務遂行上止むを得なく、頭部を失った「クエンドラのスティンガー」に接続し、運用することとなった。
 元々フェニックスホークはスティンガーの拡大改良型だった事もあり、異機種間の部品結合にも関わらず作業は比較的順調に進み、1週間後、私は再び任務に就く事が出来る見込みになっていた。
 私は機体が組み上がるのを待つ間を、眠る暇も無く過ごした。
 それは、報告書を作成し、状況を分析する為の時間であり、私が感じた疑問を解明する為の時間でもあった。
 ロッペンムダー大尉は今回の作戦を遭遇戦に過ぎないと判断していた。
 だが、それは明らかな誤ちだ。
 あの時、あの場に展開していたのは装軌MBTメタルモーラー4輌と、アウトリガー付の装輪LRMキャリアー「カチューシャ」2輌だったと報告されている。
 それら機動性にも踏破性にも乏しい在来型車輌が、あのタイミングで、完全にエンジンを完全に停止し、集団で、しかも撤退するメックを正面から捉える事が出来る可能性は極めて低い。
 ましてや「遠距離支援用の車輌を効果的に配置して」などと言う「万全の体勢」が実現可能であるとは考えられない。
 しかし、これが何らかの情報に基づいた作戦だったとしたら?
 あの用意周到さは敵の存在する位置を私に告げるメッセンジャーとなる。
 例え情報の提供があったとして、後退中の部隊を正面から捉えられるかどうか?については偶発的要素が多く一概に断言する事は出来ないが、これは試行回数がもたらす僥倖と考えるべきだとしても だ。
 だが、私の採る戦術を理解する者であれば、そのルートを幾つかに絞り込む事も、困難ではあるまい。
 
 今現在、我々が、いや、私が採るべき道は一つしか無い。
 もう一つの道は私が私である事を止める事を意味するからだ。持たざる者への変容は容認不可能な話である。

 それ故に

 歩兵を、車輌を生かして置く訳には行かない。
 それが私の意志表示でもある。
 手段が問題なのでは無い。
 私がその結果を求める。
 そうであるに過ぎない。
 出血はどちらにも生じる。
 耐え切れなくなった方が負ける。
 私の戦場にメック以外の存在は必要無い。
 戦場を汚す存在を淘汰しなくてはならない。
 その事実に彼我の別は存在しない、否、存在してはならない。

 私の意志は戦場を変える。
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